院長挨拶

院長就任のご挨拶

令和2年4月1日より長崎県病院企業団 長崎県島原病院長に就任いたしました木下明敏です。就任早々、新型コロナウイルス感染症の陣頭指揮に奮闘している毎日です。皆様にもこの感染症に対して、多くの不安を抱えておられることでしょう。この原稿を書いている4月12日の時点では陽性患者はまだ島原半島から発生はしていませんが、感染陽性者が発生するのは時間の問題かと懸念しています。島原半島で感染が蔓延せぬよう、病院上げて、皆で心ひとつに一致団結して戦っている最中です。

さて私は、平成23年4月に、それまで15年間勤務していた国立病院機構長崎医療センターの内科部長から当院の副院長として赴任しました。それから9年間副院長を務め、同時に医療安全管理室長として当院の医療安全体制の確保と充実に取り組んできました。

当院は、平成21年に県立病院と離島医療圏組合病院を長崎県と市町が一体となって経営するために設立された特別地方公共団体長崎県病院企業団の病院です。長崎県県南医療圏という、ほぼ島原半島に相当する2次医療圏の基幹病院としての役割を担っています。

この島原半島は、人口減、高齢化が全国に先駆けて急速に進行してきており、医療を取り巻く状況は他の地域に比べても更に厳しい状況です。一つの医療施設の頑張りだけではどうにもならず、このままでは地域医療の崩壊を招きかねません。公的病院の再編統合などマスコミを賑わせていますが、地域医療構想については当院も含めて地域の医療機関が一丸となって本気で取り組まねばならない喫緊の課題となっています。

当院の理念として「患者さんの立場に立った医療」を掲げ、島原半島の基幹病院として、地域医療の向上、高度・先進医療の提供、地域に根ざした医学研究を進めていくことを目ざしています。

当院は、感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症に対してこの島原半島を守る砦となっています。それ以外にも、がん医療など専門性の高い先進・高度医療や急性期医療等の総合的診療から救急医療まで幅広い診療を行っており、島原半島の安心・安全のための砦となる使命を担っています。

長崎県内5か所の地域がん診療連携拠点病院の1つとして、島原半島におけるがん診療の拠点ともなっています。今年度には、がんセンターの工事が始まり、島原半島におけるより高いレベルでのがん診療ができるよう、拠点病院の使命を果たすことが求められています。

その他にも島原半島の基幹・中核病院として、数多くの機能をもち、その診療レベルの維持・向上は今後もずっと続いていく課題です。

安心・安全な医療の提供は極めて重要なことです。医療安全、院内感染対策はもちろんのことですが、2次救急医療機関として、島原半島内での救急車出動・搬送件数年間約5000件のうち、約2000件の救急車搬送を受けており、救急の要として、断らない医療を目指しています。昨今は熊本地震など自然災害が多発しています。医療の面から当院が中心となって島原半島を支えるために、災害派遣医療チーム(DMAT)を有する地域災害拠点病院でもあります。併せて、他の医療機関との連携も重要です。当院は、県内で11ある地域医療支援病院のうち2番目に指定を受け、地域の医療機関を支援する役割を担っており、院外の医療従事者の生涯教育等の研修にも力を入れています。

島原半島の中核・基幹病院であるとはいっても、それに胡坐をかくことなく、日々進歩している医療技術を含めた診療の質の向上を目指していくことが重要です。当院は種々の学会の指導施設や研修施設になっております。ただ、今日の医療は多職種によるチーム医療が中心です。医学は進歩しています。医師のみならず多くの職種のスタッフの底上げも重要です。教育・研修の充実に今後はより力を入れていかねばならないと考えています。さらに、診療のみならず人材育成機関として、地域医療を理解する医療者の育成などを通して地域医療を守ることも使命の一つと考えています。

更に、ホームページなどを通じて島原病院が何をやっているのかを地域住民の方々へ情報発信することは極めて大切なことです。いろいろな意見・提案をいただいて改良しながら、よりよい情報発信のツールとして生かしていきたいと思っています。情報発信も一方通行になってしまうおそれもあり、双方向のコミュニケーションが重要であることは論を待ちません。そのためには、お互いに、スタッフ間、部門間、また患者・家族とのコミュニケーションを更に深めていく努力も必要です。

今は正解がない時代です。いろいろな意見を出せる組織が本当に強い組織だと思います。いろいろな意見が出やすいような仕組み作り、相互理解を深めるためのコミュニケーションが取りやすい環境作りが管理者の仕事でも重要なものの一つだと思っています。

最後に、経営の話です。当院は公的な病院として、救急などの不採算部門もやっていかねばなりません。ただ、医療の質の向上のために、いろいろな機器を購入・整備したりするのにも資金は必要です。理想の医療の姿を描いていくため経営基盤の安定化にも尽力していきたいと思います。

今は医療業界に限らず、変革が求められています。「生き残るものは、変化に最もよく適応したものである。」などと、ダーウィンの言葉がよく引用されていますが、まさにその通りだと思います。島原半島地域の基幹病院として「島原半島に島原病院があって良かった」と言ってもらえる病院となるよう職員一同、更に一層努力して参る所存です。

皆様のご指導ご支援のほどお願い申し上げます。

2020年4月

PAGE TOP