高度先端医療

1.定位放射線治療について- 放射線科 -

当院では、リニアックに特殊な固定具を併用し、位置精度及び線量分布をより高めた定位放射線治療を行っています。

固定具の使用で、頭部1mm、体幹部では5mm以内の位置精度を確保でき、通常治療に比べて明らかな標的容積の減少が可能となっています。それに伴い正常組織の障害の減少、標的線量の増加を可能とし、腫瘍制御率の向上が認められています。

1.定位脳治療

細いビームの複数回転照射で脳占拠性病変に線量を集中させる治療法です。ガンマーナイフに匹敵します。

転移性脳腫瘍・聴神経腫瘍・下垂体腺腫などの腫瘍性病変及び脳動静脈奇形の治療を行い、成果を挙げています。ちなみに、症例数最多の転移性病変の適応は、正常脳組織の障害を考慮して当院では直径3cm、合計3個までとしています。

1回の治療で終了することを原則としていますが、視神経・視交叉・脳幹部などの重要器官近傍の病変については1回の線量を下げ、数回に分けることにより正常組織のダメージを軽減するようにしています。

2.定位体幹部治療

標的病変の形状に合わせたビームを多方向から照射することにより、線量を集中させる治療法です。

主に、直径3cm以下の肺腫瘍に対して1週間程度で行っています。すでに早期肺癌については、同様の治療法での良好な成績が山梨大学を中心に報告されています。他にも、肝腫瘍などにも適応可能です。

また、当院では、コンピュータの能力を最大限に発揮させ、線量の強弱をコントロールする最新の治療法である「IMRT(強度変調放射線治療)」を行っています。

同治療法は、欧米ではすでに高い評価を受けていますが、より高品質な線量・位置精度が求められることから、国内では京都大学をはじめとする主要な施設の稼動にとどまっています。当院では、研修・検証の結果により、十分臨床に対応できることを確認後、九州初の導入に踏み切り、長崎大学病院をはじめとする他施設との連携で、約7年半前より前立腺癌の治療を開始し、威力を発揮しています。

他県からの治療依頼も徐々に増え、また他の部位にも適応範囲を拡大しています。

定位脳放射線治療(転移性脳腫瘍)

治療前 治療後
定位体幹部放射線治療(肺癌)
治療前 治療後

前立腺癌に対するIMRT(強度変調放射線治療)

放射線科 診療部長 小幡史郎


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2.低侵襲の脳下垂体部手術  - 脳神経外科 -

脳下垂体部の病変の手術法については、ハーディ法が有名で上口唇に切開を加え、鼻中隔を脱臼してトルコ鞍部に到達します。本法は、古くからある熟達を要する頭蓋底手術法です。

当院脳神経外科では、より低侵襲で術後の早期回復を目指して片側の鼻腔粘膜の小切開2cm(図1)でトルコ鞍部に到達する経鼻的経蝶形骨洞法を行っています。

この方法では、出血量が平均で50ml以下、手術時間も2時間以下となりました。低侵襲で縫合も不要なため、術翌日より飲水食事が可能で、術後1週間以内に退院できます。

本法による著者の経験は、これまで150例以上であり、九州でも多い経験例です。安全で低侵襲、早期の術後回復を目指す当科の手術法の一端を示しました。 

図1

右鼻中隔粘膜に小切開を加えトルコ鞍部に到達するため、低侵襲、早期回復退院が可能です。

図2

手術前トルコ鞍内部に充満した腫瘍(手術前MRI矢状断像 図A)は、本法により腫瘍が全摘出され、視神経の圧迫がとれ(手術4日後MRI矢状断像 図B)退院時検査で視野障害が正常に回復しました。

院長 脳神経外科 徳永能治

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