脳卒中とは
脳卒中とは、脳の血管がつまったり破れたりすることで、脳の血管に障害を起こす病気です。
脳卒中には、主に脳の血管がつまる「脳梗塞」、脳の血管が破れる「脳出血」、脳の血管にできる脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)と呼ばれるこぶが破裂する「くも膜下出血」、一時的に脳の血管がつまる「一過性脳虚血発作」があります。
脳卒中は、死因の第4位で、様々な後遺症が残存する場合もあり、寝たきりとなる原因の第1位を占める疾患であり、高血圧、喫煙、動脈硬化などの危険因子の予防が大切です。
また、脳卒中の症状がある場合は、できるだけ早く受診して治療を開始することが重要です。
脳卒中の症状
①片側の手や足に力が入らない
②ろれつが回らない
③顔面の左右どちらかに麻痺が起こる
④経験したことのない突然の激しい頭痛
島原病院は、毎年300人前後の脳卒中患者の治療をしています。
グラフは入院患者数の年度別の推移を示しています。
グラフの数字は、疾患別の患者数です。
脳梗塞が一番多く、全体の約7割を占めています。
脳卒中センターとは
長崎県は、脳卒中急性期に必要な医療機能を有する医療機関を、その機能に応じて、「高次脳卒中センター」「地域脳卒中センター」「脳卒中支援病院」として認定しています。
当院は、平成21年より「脳卒中センター」の認定を受けており、脳卒中ホットラインを構築し、24時間体制を整備し、脳卒中の急性期医療を実践しています。
<長崎県が認定している脳卒中センター>
【 高次脳卒中センター 】
脳卒中急性期診療の核となる、救命救急センターを設置し、複合疾患や重症合併症等を有する脳卒中患者の受入も可能な医療機関
医療圏 | 医療機関名 |
長崎 | 長崎大学病院 |
佐世保県北 | 佐世保市総合医療センター |
県央 | 長崎医療センター |
【 地域脳卒中センター 】
二次医療圏における脳卒中急性期専門医療機関の中から原則として1箇所、脳卒中患者の24時間365日の受入が可能で、地域の中核となる医療機関
医療圏 | 医療機関名 |
長崎 | 長崎みなとメディカルセンター |
佐世保県北 | 長崎労災病院、佐世保中央病院 |
県南 | 長崎県島原病院 |
【 脳卒中支援病院 】
地域脳卒中センターと連携し、緊急t-PA治療(※)や緊急脳神経外科手術等を行い、地域の脳卒中急性期診療を支える医機機関
医療圏 | 医療機関名 |
長崎 | 十善会病院、済生会長崎病院、長崎北徳洲会病院 |
県央 | 諫早総合病院、宮崎病院、長崎川棚医療センター |
※t-PA治療とは、脳梗塞が起きた際、細胞が死んでしまう前に、血管を詰まらせる原因である血栓(血の固まり)を溶解させ、血流を再開し脳の働きを取り戻す治療法。
脳卒中ホットライン
脳卒中ホットラインとは、脳卒中が疑われる患者に対し、速やかに搬送するための、紹介する医師や救急隊の間でコンサルトして搬送する体制です。
当院では、平成21年に脳卒中センターの認定を受け、脳卒中ホットラインを開設し、脳卒中急性期治療を実践しています。
特に脳梗塞においては、発症から治療開始までの時間短縮が重要とされており、一刻も早い搬送が重要です。
脳卒中ホットラインは、24時間365日、医療機関の医師や救急隊と島原病院の脳神経外科医師が直接電話でコンサルトできる体制です。ここ数年、ホットラインで搬送された救急患者のうち約8割が脳卒中患者であり、効率的な搬送と治療につながっています。
脳卒中地域連携パス
長崎県は、脳卒中に関する医療機能の役割分担を推進し、急性期における拠点化と急性期から回復期に至る連携を図るため、「脳卒中診療ネットワーク」を構築しています。
当院では、平成21年より「脳卒中地域連携パス」を運用し、地域の医療機関や介護施設等と連携し、切れ目のない医療を推進しています。
以下の表は、当院が脳卒中において連携し、脳卒中地域連携パスを運用している施設です。
施設名 | 所在地 | |
1 | 医療法人伴帥会 愛野記念病院 | 雲仙市 |
2 | 医療法人祐和会 安藤病院 | 雲仙市 |
3 | 医療法人社団東洋会 池田病院 | 島原市 |
4 | 医療法人有心会 池田循環器科内科 | 南島原市 |
5 | 医療法人薫風会 石川内科医院 | 南島原市 |
6 | 医療法人有隣会 貴田神経内科・呼吸器科・内科病院 | 島原市 |
7 | 医療法人重眞会 木下内科医院 | 島原市 |
8 | 医療法人弘池会 口之津病院 | 南島原市 |
9 | 医療法人社団苑田会 公立小浜温泉病院 | 雲仙市 |
10 | 医療法人慈眼会 坂本医院・内科・婦人科 | 島原市 |
11 | 医療法人済家会 柴田長庚堂病院 | 島原市 |
12 | 医療法人城内会 新生病院 | 島原市 |
13 | 医療法人雄心会 たかお循環器内科 | 島原市 |
14 | 医療法人博愛会 哲翁病院 | 南島原市 |
15 | 一般社団法人是真会 長崎リハビリテーション病院 | 長崎市 |
16 | 医療法人NANOグループ 菜の花クリニック | 南島原市 |
17 | 医療法人威光会 松岡病院 | 島原市 |
18 | 医療法人社団穂仁会 よこた医院 | 雲仙市 |
19 | 医療法人伴帥会 介護老人保健施設 ガイアの里 | 雲仙市 |
20 | 社会福祉法人真和会 介護老人保健施設 真寿苑 | 雲仙市 |
21 | 医療法人重眞会 介護老人保健施設 フォスター島原 | 島原市 |
22 | 医療法人栄和会 介護老人保健施設 フォンテ | 南島原市 |
23 | 医療法人薫風会 介護老人保健施設 夢織りの里 | 南島原市 |
24 | 医療法人社団苑田会 公立介護老人保健施設 老健おばま | 雲仙市 |
25 | 医療法人済家会 介護老人保健施設 ろうけん長庚堂 | 島原市 |
26 | 医療法人済家会 柴田長庚堂病院 通所リハビリテーション | 島原市 |
27 | 医療法人NANOグループ デイケア 菜の花 | 南島原市 |
28 | みずほリハビリセンター | 雲仙市 |
脳卒中ノート
~脳卒中ノートの目的~
脳卒中の患者様が急性期病院を退院した後に重要なことは、ご自身やご家族が病気のことを理解し、再発予防を意識しながら健康管理を行うことです。
「島原脳卒中ノート」には、脳卒中と予防に関する知識、もし脳卒中になった場合、利用できる介護・福祉サービス等の情報を掲載しています。脳卒中で入院された患者様やご家族に対し、退院後の不安が少しでも軽減することを目的としています。
また、脳卒中にならないために、脳卒中について理解し、生活習慣や血圧などをコントロールすることが大変重要ですので、是非活用していただきたいと思います。
脳卒中予防の啓蒙のため、「島原脳卒中ノート」を島原病院の総合受付や脳神経外科外来にも設置しておりますので、是非持ち帰ってご覧ください。
脳卒中市民公開講座
開催年 | 開催地 | 会場 | テーマ | |
1 | 平成21年 | 島原市 | 島原有明総合文化会館 | 「脳卒中に負けないために」「元気で長生きのために」 |
2 | 平成24年 | 島原市 | 島原文化会館 中ホール | 「地域で育てよう脳卒中の輪」 |
3 | 平成25年 | 南島原市 | 深江ふるさと伝承館 | 「地域で脳卒中を支えよう」 |
4 | 平成26年 | 雲仙市 | 吾妻町ふるさと会館 | 「地域で脳卒中を支えよう」 |
5 | 平成27年 | 雲仙市 | ハマユリックスホール | 「地域で脳卒中を支えよう」 |
6 | 平成28年 | 島原市 | 島原文化会館 中ホール | 「地域で脳卒中を支えよう」 |
7 | 平成29年 | 島原市 | 島原文化会館 大ホール | 「知って得する!今日からできる脳卒中の予防」 |
8 | 平成30年 | 島原市 | 島原文化会館 大ホール | 「知って得する!今日からできる脳卒中の予防」 |
9 | 令和元年 | 島原市 | 島原文化会館 大ホール | 「あなたの血管大丈夫? ~脳卒中の治療と予防~」 |
10 | 令和3年 | 島原市、Web上 | 長崎県島原病院、Web上 | 「STOP 脳卒中!」 |