当院について
About our hospital
病院指標
島原病院 病院指標(平成28年度)
年齢階級別退院患者数
年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 264 | 98 | 56 | 81 | 153 | 419 | 917 | 1075 | 1059 | 297 |
平成28年度中に当院を退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計しています。
当院の存在する県南地域は2010年の国勢調査によれば人口減少が5年前比較でマイナス5.8%、65歳以上の高齢化率が30.2%と全国平均を大きく上回り、過疎と高齢化が進んでいる地域に存在しています。
当院への年齢別患者数もこれを反映したものとなっており60歳以上が全体の76%を占めています。
※各集計患者数については「病院情報の公表の集計条件等について」の通知に従い作成をしています。
患者数が10未満の場合、個人情報保護の観点により「-」で表示することとされています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110310xx99xx0x | 腎臓または尿路の感染症 手術なし 副傷病なし | 30 | 16.23 | 12.43 | 16.67% | 79 | |
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 20 | 19 | 17.95 | 25.00% | 85 | |
150010xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等2なし | 18 | 9.33 | 5.5 | 0.00% | 59 | |
030400xx99xxxx | 前庭機能障害 手術なし | 12 | 5.17 | 5.24 | 0.00% | 61 | |
100380xxxxxxxx | 体液量減少症 | 11 | 6.73 | 9.33 | 0.00% | 74 |
患者さんは一つの病気だけでなく複数の病気を抱えている事がよくあります。
総合内科は各専門科の枠を超えて、いくつもの病気に対しバランスをとりながらトータルケアの実践を目指しています。
当院だけで対処できない場合は長崎大学病院、長崎医療センター等の他の医療機関と連携しながら治療を行っていきます。
- 呼吸器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx9910xx | 肺の悪性腫瘍 (気管支鏡などの検査を伴うもの) | 114 | 4.49 | 3.68 | 0.88% | 74 | |
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍 (化学療法あり) | 98 | 9.43 | 12.35 | 0.00% | 70 | |
040040xx9908xx | 肺の悪性腫瘍 (ペメトレキセドナトリウム水和物あり) | 90 | 6.63 | 12.01 | 0.00% | 74 | |
040040xx99000x | 肺の悪性腫瘍 (手術・処置なし) | 40 | 15.00 | 14.83 | 10.00% | 73 | |
040040xx9909xx | 肺の悪性腫瘍 (ベバシズマブあり) | 37 | 7.43 | 10.76 | 2.70% | 68 |
平成28年度の呼吸器内科の入院患者さんは、858名ありました。地域がん診療連携拠点病院の呼吸器内科として、島原半島を中心とした長崎県南地域の数多くの肺癌患者さんの内科的診療にあたっており、入院された肺癌患者さんは合計で435名でした。病病連携、病診連携により在院日数も短縮でき、地域で安心して専門的な治療を受けられています。また、管理栄養士が中心となって、抗がん剤治療で食欲が低下した患者さんの特別メニューを作成し、個別にもきめ細かな対応に努めています。肺癌以外にも地域の中核病院として、肺炎・気管支炎・細気管支炎118名、誤嚥性肺炎30名、胸水・胸膜炎25名、間質性肺炎21名、非結核性抗酸菌感染症21名、気胸19名、気管支喘息11名、サルコイドーシス10名などの入院がありました。呼吸療法認定士の資格をもつ理学療法士を中心に、慢性呼吸器疾患や肺癌術後などの患者さんの呼吸リハビリテーションも積極的に行っています。呼吸器内科を専門とする医師だけでなく、看護師、前述した管理栄養士、リハビリ技師、臨床工学技士ほか多くの職種が連携してチーム医療にあたっており、地域の医療機関では診療が難しい専門的な検査や治療が必要な呼吸器疾患患者さんも入院されています。
- 消化器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060040xx99x4xx | 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等24あり | 18 | 7.94 | 4.42 | 38.89% | 60 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし | 18 | 26.11 | 11.06 | 11.11% | 82 | |
060190xx99x0xx | 虚血性腸炎 手術なし 手術・処置等2なし | 17 | 10.65 | 9.19 | 11.76% | 70 | |
060102xx99xxxx | 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし | 16 | 10.50 | 7.89 | 6.25% | 58 | |
060130xx99000x | 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 16 | 10.38 | 7.44 | 6.25% | 67 |
DPCコードで分類された疾患としては表記のとおりで、直腸肛門疾患と胆道系疾患が最多となります。直腸肛門疾患としては、主に化学療法を目的とした入院であり、胆道系疾患については、胆石性胆管炎など増加傾向にあり、上位を占めるに至っています。また、虚血性腸炎や大腸憩室炎などの大腸疾患も比較的多いという結果となっています。
しかし、これはDPCコードによる分類であり、実際の消化器内科へ入院となる疾患としては、早期大腸癌や大腸ポリープの内視鏡的切除(DPC包括制度対象外のため集計結果には出ていません)が最も多いという結果となります。それ以外には疾患別でいえば、胃癌(精査・化学療法・内視鏡的治療)や他の消化器癌の精査・化学療法なども比較的多い傾向にあります。
- 循環器内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050050xx99100x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等11あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 84 | 3.13 | 3.06 | 0.00% | 71 | |
050050xx02000x | 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1なし、1,2あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 77 | 5.94 | 4.71 | 2.60% | 71 | |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 35 | 12.54 | 11.38 | 5.71% | 81 | |
050130xx99000x | 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 34 | 22.91 | 17.95 | 20.59% | 81 | |
050170xx03000x | 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1なし、1あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 14 | 13.64 | 5.85 | 14.29% | 79 |
- 血液内科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
130010xx97x2xx | 急性白血病で輸血と化学療法を行うもの | - | - | - | - | - | |
130030xx97x3xx | 非ホジキンリンパ腫で輸血と化学療法を行うもの | - | - | - | - | - | |
130060xx97x40x | 骨髄異形成症候群で輸血とアザシチジン治療を行うもの | - | - | - | - | - | |
130110x0xxx00x | 出血性疾患(その他)(16歳以上) (手術・処置なし) | - | - | - | - | - | |
130040xx97x5xx | 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物で輸血とレナリドミド水和物等の治療を行うもの | - | - | - | - | - |
血液がんには大きく白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫があります。当院でも急性骨髄性白血病、悪性リンパ腫(特にびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫)や、多発性骨髄腫の抗がん剤治療が上位を占めております。また、骨髄異形成症候群は造血不全(白血球減少、貧血、血小板減少)を伴う高齢者に多い病気で、移植不適応の高齢患者さんには、積極的に抗がん剤治療を施行しております。血液がんの治療は日進月歩であり、DPC包括制度対象外となる一部の新規抗がん剤治療では当集計には含まれていませんので、実際の入院患者数より少ない数値となっております。
- 小児科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040090xxxxxx0x | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 副傷病なし | 75 | 5.49 | 6.02 | 4.00% | 1 | |
040100xxxxx00x | 喘息 手術・処置等2なし 副傷病なし | 43 | 6.28 | 6.42 | 0.00% | 4 | |
030270xxxxxxxx | 上気道炎 | 26 | 5.04 | 4.83 | 3.85% | 1 | |
0400801199x00x | 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 24 | 5.92 | 5.79 | 0.00% | 7 | |
100380xxxxxxxx | 体液量減少症 | 16 | 3.56 | 9.33 | 0.00% | 5 |
当院での小児科の主な入院疾患は、呼吸器感染症となっています。特に、乳児期からの幼児期にかけての感染(RSウイルスやマイコプラズマなど)や、小児期喘息様気管支炎が多くなっています。
新生児期の呼吸障害に対してもNasal High Flowを導入したことで、入院管理が可能となりました。
重症心身障害児の肺炎などにも、RTXや呼吸器リハビリを行うことで、入院管理が行えるようになり、早期の退院が見込めるようになってきました。
消化器系の疾患では、感染性腸炎(嘔吐下痢症)とそれに伴う脱水が主となっていますが、個室管理で入院管理をしています。
その他、腸重積症、川崎病など早期対応も行っております。
退院後に関しては地域や紹介を頂いた“かかりつけ医”に、follow-upをお願いしています。
- 外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060335xx02000x | 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 44 | 8.30 | 7.61 | 2.27% | 62 | |
060150xx02xxxx | 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴うもの等 | 36 | 9.61 | 9.91 | 0.00% | 38 | |
060040xx99x60x | 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり 副傷病なし | 34 | 2.15 | 4.41 | 0.00% | 61 | |
060035xx01000x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 22 | 21.09 | 15.92 | 0.00% | 72 | |
090010xx99x6xx | 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等26あり | 21 | 2.10 | 4.56 | 0.00% | 55 |
外科における入院目的は、手術、化学療法、緩和治療、検査、経過観察など様々です。症例数の多いものは、上記のように胆道疾患、虫垂炎、直腸肛門悪性疾患、結腸悪性疾患、乳腺悪性疾患の順となっています。
- 整形外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160800xx01xxxx | 股関節大腿近位骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 | 184 | 23.54 | 27.63 | 75.54% | 85 | |
160690xx99xx0x | 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 副傷病なし | 46 | 21.96 | 20.57 | 71.74% | 82 | |
160760xx97xx0x | 前腕の骨折 手術あり 副傷病なし | 39 | 9.49 | 5.49 | 0.00% | 52 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 16 | 54.56 | 26.26 | 6.25% | 75 | |
160835xx01xx0x | 下腿足関節周辺骨折 骨折経皮的鋼線刺入固定術 前腕、下腿等 副傷病なし | 16 | 32.31 | 23.54 | 37.50% | 55 |
高齢者の転倒による肩、前腕、大腿骨部の骨折が多い。骨接合術、人工骨頭置換術を行っています。変形性関節症に対して人工関節全置換術を行っています。
- 脳神経外科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010060x2990401 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等24あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 50 | 22.54 | 16.54 | 52.00% | 74 | |
010060x2990201 | 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等22あり 副傷病なし発症前Rankin Scale 0、1又は2 | 42 | 17.36 | 16.73 | 42.86% | 76 | |
160100xx97x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし | 39 | 11.95 | 9.87 | 12.82% | 73 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 33 | 11.52 | 7.52 | 18.18% | 64 | |
010040x099x00x | 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | 32 | 21.25 | 19.35 | 68.75% | 70 |
急性期脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷等、脳神経外科疾患全般に対応しています。
近年は主として高齢の方の脳梗塞が多くなっています。脳卒中連携パスを用いて地域の医療機関と連携を行っております。
- 泌尿器科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110070xx0200xx | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし | 13 | 8.69 | 7.44 | 7.69% | 78 | |
110060xx99x0xx | 腎盂・尿管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし | - | - | - | - | - | |
110080xx99000x | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - | |
11013xxx06xxxx | 下部尿路疾患 膀胱結石、異物摘出術 経尿道的手術等 | - | - | - | - | - | |
110080xx01x0xx | 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし | - | - | - | - | - |
- 麻酔科
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) | 平均 在院日数 (全国) | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060035xx99x00x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - | |
06007xxx99000x | 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし | - | - | - | - | - |
麻酔科としては、ペインクリニックにおいて、重症の痛みで、入院してブロック等の治療が必要な方、(例えば、重症の帯状疱疹など)また、緩和ケアにおいて、在宅や他の病院に依頼した患者で、痛み等の増悪でコントロールができない場合の緊急病床として短期の入院をさせることができるようにはしている。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) | 版数 | |||||
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 21 | - | - | 45 | 21 | - | 1 | 6,7 |
大腸癌 | 17 | 17 | 30 | 71 | 38 | 78 | 1 | 6,7 |
乳癌 | - | 20 | 12 | - | - | 33 | 1 | 6,7 |
肺癌 | 51 | 13 | 40 | 137 | 14 | 178 | 1 | 6,7 |
肝癌 | - | - | - | - | - | - | 1 | 6,7 |
※ 1:UICC TNM分類 2:癌取扱い規約
当院は、長崎県県南地域(島原市、南島原市、雲仙市)の地域がん診療連携拠点病院として、5大癌に対する内科的治療、外科的治療を行っています。そのため、早期癌から末期癌まで幅広く診療を行い、ガイドラインに基づいた外科的治療、内科的治療等を実施しております。
胃癌や大腸癌などの消化管癌において、早期の癌では主に内科的な内視鏡切除を行い、内視鏡治療が困難な場合には外科的に腹腔鏡手術や開腹手術を行っています。切除困難な進行・再発癌に対しては、全身化学療法、緩和治療、姑息的外科手術など集学的な治療を行っています。
乳癌では、癌の局在、進行度、ホルモン感受性、HER2発現などによって、外科切除、化学療法、ホルモン療法、放射線療法などを組み合わせて行っています。
肺癌では、Stage III, IVの進行癌を多く診療しており、内科的治療の充実並びに治療成績の向上に努めています。放射線科との連携のみならず、手術が適応となる肺癌患者さんは呼吸器外科をもつ施設と連携して、診療科・診療施設の枠を超えた集学的治療を行っています。他施設の呼吸器外科で手術を受けた肺癌患者さんも基本的には当院呼吸器内科でフォローしています。
※患者数が10未満の場合、各項目は「-」で表示しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等
患者数 | 平均 在院日数 | 平均年齢 | |
軽症 | 23 | 9.74 | 49.87 |
中等症 | 101 | 18.34 | 78.30 |
重症 | 12 | 18.92 | 86.83 |
超重症 | 5 | 25.00 | 89.00 |
不明 | 0 | 0.00 | 0.00 |
基礎疾患を抱える高齢の患者さんを中心に、基本的には外来診療で行う軽症肺炎(重症度0)も入院治療となることがあります。中等症(重症度1、2)の患者さんは101名と重症度別では最も多くなっています。重症(重症度3)は12名、さらに超重症(重症度4、5)も5名あり、地域の基幹病院として重症の肺炎患者さんの診療にあたっています。重症肺炎の患者さんは平均年齢も高く、誤嚥を繰り返すため遷延化しやすく、医師、看護師のみならず、リハビリ、栄養などの多職種からなるチームで懸命に治療を行っていますが、回復にも時間がかかり在院日数も長くなっています。
脳梗塞のICD10別患者数等
ICD10 | 傷病名 | 発症日から | 患者数 | 平均 在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|---|---|
G45$ | 一過性脳虚血発作及び関連症候群 | 3日以内 | 20 | 7 | 69.90 | 0.00% |
その他 | - | - | - | - | ||
G46$ | 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I63$ | 脳梗塞 | 3日以内 | 201 | 21.79 | 75.59 | 44.49% |
その他 | 26 | 21.12 | 71.50 | 7.49% | ||
I65$ | 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I66$ | 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I675 | もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - | ||
I679 | 脳血管疾患,詳細不明 | 3日以内 | - | - | - | - |
その他 | - | - | - | - |
脳梗塞超急性期の治療(tPA血栓溶解治療、脳血管内治療)を行っています。
主に発症3日以内の急性期脳梗塞の診断、治療の患者がほとんどを占めています。
当院では脳卒中ホットラインを運用し、先進の診断技術により迅速に脳卒中診断を行い、多職種でのチーム医療により効果的な治療を行っています。
※患者数が10未満の場合、各項目は「-」で表示しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
- 消化器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) | 117 | 0.68 | 1.13 | 0.00% | 66.09 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 32 | 1.03 | 26.19 | 25.00% | 79.69 | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) | 23 | 1.22 | 1.61 | 0.00% | 68.96 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | 12 | 3.33 | 16.92 | 25.00% | 76.17 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) | 10 | 1.00 | 7.30 | 0.00% | 77.00 |
消化器の内視鏡的処置としては、大腸粘膜切除術が最も多く行われております。これは大腸内に発生した腫瘍(良性・悪性)を内視鏡的に摘出する治療です。大腸がん検診の普及により、大腸内視鏡検査件数が増加していることが一因と考えられます。
次に多いのが、内視鏡的胆道ステント留置術ですが、これは胆石や膵・胆管腫瘍による胆道感染症や閉塞性黄疸に対して、胆汁の流れを改善させることを目的として、ステントと呼ばれるチューブを総胆管内に留置する処置です。最近胆道系疾患が増加傾向にあることを反映しているものと思われます。
内視鏡的消化管止血術は、主には胃・十二指腸潰瘍などからの大量出血に対して、緊急的な止血処置として内視鏡を使って行う止血法です。最近はヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法が盛んに行われていることを反映し、以前に比べ減少傾向にあるようです。
早期胃癌に対する内視鏡的切除としては、主として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っております。
- 循環器内科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術(その他) | 64 | 2.27 | 3.33 | 3.13% | 72.11 | |
K5972 | ペースメーカー移植術(経静脈電極) | 24 | 3.63 | 9.38 | 12.50% | 79.38 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 14 | 1.36 | 10.57 | 21.43% | 79.21 | |
K5463 | 経皮的冠動脈形成術(その他) | 11 | 1.09 | 2.27 | 0.00% | 67.55 | |
K5492 | 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症) | 10 | 0.00 | 15.20 | 10.00% | 70.40 |
冠動脈疾患に対する待機的および緊急治療が主体となりますが、腎動脈や下肢、上肢の動脈硬化症に対する血管内治療も行っております。高齢者の増加に伴いペースメーカー植え込み術についての増加も認めています。
- 外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
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K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 52 | 1.54 | 6.25 | 3.85% | 62.75 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 46 | 1.09 | 3.78 | 0.00% | 69.37 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 | 37 | 1.59 | 4.70 | 0.00% | 68.51 | |
K718-22 | 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴うもの) | 32 | 0.38 | 6.44 | 0.00% | 33.06 | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤動脈,静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) | 26 | 1.54 | 9.50 | 7.69% | 65.85 |
H28年度の外科手術症例は518例で、約80%が予定手術です。手術臓器は消化器全般(消化管、肝胆膵など)、乳腺、甲状腺など多岐にわたります。近年の特徴として、胆石症、鼡径ヘルニア、虫垂炎などに対する鏡視下手術が増加しています。また、化学療法を行うためのCVポート留置術も増加しています。
- 整形外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
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K0461 | 骨折観血的手術(肩甲骨,上腕,大腿) | 135 | 2.67 | 20.12 | 68.15% | 84.50 | |
K0811 | 人工骨頭挿入術(肩,股) | 56 | 3.48 | 22.20 | 75.00% | 80.63 | |
K0462 | 骨折観血的手術(前腕,下腿,手舟状骨) | 47 | 2.09 | 18.38 | 23.40% | 64.51 | |
K0483 | 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕,下腿) | 38 | 0.21 | 6.68 | 0.00% | 46.42 | |
K0821 | 人工関節置換術(肩,股,膝) | 29 | 3.76 | 44.93 | 17.24% | 73.17 |
高齢者の転倒による肩、前腕、大腿骨部の骨折が多い。骨接合術、人工骨頭置換術を行っています。変形性関節症に対して人工関節全置換術を行っています。
- 脳神経外科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
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K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 40 | 0.43 | 10.50 | 15.00% | 77.08 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | - | - | - | - | - | |
K145 | 穿頭脳室ドレナージ術 | - | - | - | - | - | |
K164-4 | 定位的脳内血腫除去術 | - | - | - | - | - | |
K1771 | 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) | - | - | - | - | - |
頭部外傷全般を受け入れ、手術治療、保存的治療を行っています。
外傷による手術例では高齢の方の外傷が多く,慢性硬膜下血腫の症例が増えています。脳出血やくも膜下出血に対しては、低侵襲な治療を目指し、血管内治療も積極的に行っております。
- 泌尿器科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
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K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) | 14 | 1.00 | 6.57 | 7.14% | 77.50 | |
K768 | 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 | - | - | - | - | - | |
K7981 | 膀胱結石,異物摘出術(経尿道的手術) | - | - | - | - | - | |
K843 | 前立腺悪性腫瘍手術 | - | - | - | - | - | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | - | - | - | - | - |
膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)とは膀胱癌に対して尿道より内視鏡を挿入して、生理食塩水を流しながら腫瘍を切除する手術です。膀胱癌は再発率も高く手術件数は最も多くなります。他にも前立腺全摘除術や腹腔鏡下での腎摘除術、体外衝撃波での尿路結石の砕石術なども行っております。
- 小児科
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 | 平均 術後日数 | 転院率 | 平均年齢 | 患者用 パス |
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K7151 | 腸重積症整復術(非観血的なもの) | - | - | - | - | - |
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | 3 | 0.07% |
異なる | 5 | 0.11% | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 13 | 0.29% |
異なる | 5 | 0.11% | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | 0 | 0.00% |
異なる | 2 | 0.05% | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 9 | 0.20% |
異なる | 1 | 0.02% |