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来院される方

For person visiting the hospital

高度先端医療

定位放射線治療(SRT/SBRT)

Stereotactic Radiation Therapy / Stereotactic Body Radiation Therapy
当院では、リニアックに特殊な固定具を併用し、位置精度及び線量集中性をより高めた定位放射線治療を行っています。
固定具の使用で、頭部1mm、体幹部では5mm以内の位置精度を確保でき、通常治療に比べて明らかな標的容積の減少が可能となっています。それに伴い正常組織の障害の減少、標的線量の増加を可能とし、腫瘍制御率の向上が認められています。
従来の放射線照射法では、病変周囲に存在する正常組織に障害が生じるおそれから、腫瘍に十分な線量を照射することが出来ないという難点がありました。
しかし、最先端のコンピュータ技術と高精度の治療装置を駆使することにより、病変部には放射線を集中させつつ周囲の正常組織に対する被曝を極力抑えることが可能となっています。
その照射方法を応用したのが定位放射線治療(SRT/SBRT)であり、また強度変調放射線治療(IMRT)です。
頭部(脳)の定位放射線治療には、周囲正常組織の耐用線量の面から、一回~数回に分けて治療を行う定位放射線治療があります。頭部(脳)の定位放射線治療では、細いX線を病変中心に3次元的に複数の軌道上を回転照射させ、線量を病巣に集中させます。
体幹部の定位放射線治療では、病変輪郭に合致した照射野を3次元的に多方向から複数門作製し、それぞれの治療線量の比率を調整しながら照射することで、病巣に線量を集中させる方法です。治療は分割照射で、1~2週間程度で終了します。当院では主に肺腫瘍に対して行っています。

定位脳治療

細いビームの複数回転照射で脳占拠性病変に線量を集中させ、ガンマーナイフ・サイバーナイフに勝るとも劣らない治療法です。
転移性脳腫瘍・聴神経腫瘍・下垂体腺腫などの腫瘍性病変及び脳動静脈奇形の治療を行い、成果を挙げています。
1回の治療で終了することを原則としていますが、視神経・視交叉・脳幹部などの重要器官近傍の病変については1回の線量を下げ、数回に分けることにより正常組織のダメージを軽減するようにしています。

 

定位体幹部治療

標的病変の形状に合わせたビームを多方向から照射することにより、線量を集中させる治療法です。
主に、直径3cm以下の肺腫瘍に対して1週間程度で行っています。すでに早期肺癌については、同様の治療法での良好な成績が報告されています。他にも、肝腫瘍などにも適応可能です。
また、当院では、コンピュータの能力を最大限に発揮させ、線量の強弱をコントロールする最先端治療法である「IMRT(強度変調放射線治療)」を2003年より行い、2022年春よりIMRTをさらに進化させた「VMAT(回転IMRT)」を行っています。
同治療法は、欧米ではすでに高い評価を受けていますが、より高品質な線量・位置精度が求められることから、国内では京都大学をはじめとする主要な施設の稼動にとどまっています。当院では、研修・検証の結果により、十分臨床に対応できることを確認後、九州初の導入に踏み切り、長崎大学病院をはじめとする他施設との連携で、2003年より前立腺癌の治療を開始し、威力を発揮しています。
他県からの治療依頼も徐々に増え、また他の部位にも適応範囲を拡大しています。

定位放射線治療に関するQ&A

  • Q1.
  • 痛みはありますか?
  • A1.
  • 治療中、照射に伴う痛みはありません。
  • Q2.
  • 治療期間はどのくらいですか?
  • A2.
  • 通常、1~2週間で終了します。病変部位によっては、4~5週間かかることもあります。
  • Q3.
  • 放射線治療の効果は、いつ頃から出るのでしょうか?
  • A3.
  • 治療終了とともに効果は出現していますが画像上病変サイズ縮小がみられるのは通常放射線治療終了後約2か月後です。
  • Q4.
  • 副作用はありますか?
  • A4.
  • 症状を示さない場合が多いですが、2~6ヶ月後に咳や微熱などが出現する場合があります。
    万一、症状が長引く場合は、外来を受診ください。
  • Q5.
  • どのような肺癌でも治療が可能ですか?
  • A5.
  • 通常、転移がない早期肺癌がこの治療法の適用となります。体力的に手術が難しい患者にも、実施できることもあります。
  • Q6.
  • 再発した場合、再治療が可能ですか?
  • A6.
  • 再治療可能なケースもあります。詳しくは主治医にご相談ください。
  • Q7.
  • 体幹部定位放射線治療にかかる治療費はどれくらいですか?
  • A7.
  • 基本料金63万円+入院・各種検査・外来診療などの費用となります。すべて保険診療適用です。
    最終的には、高額医療の適応になりますので、収入に応じた額となります。詳しくは総合受付でご確認ください。

強度変調放射線治療(IMRT)

Intensity Modulated Radiation Therapy(強度変調放射線治療)
強度変調放射線治療(IMRT)は、コンピュータの能力を最大限に発揮させ、線量の強弱をコントロールする最先端の照射技術です。さらに、進化形の回転IMRT(VMAT)を2022年春より開始しています。当院では泌尿器科と共同で、平成15年1月から前立腺腫瘍700例(2022年12月末現在)治療施行していますが、重篤な副作用なく、経過も良好です。他に頭頚部・胸部・腹部腫瘍に対しても、IMRTで治療を行っています。
(前立腺腫瘍も含め全症例で1345例実施。2022年12月末現在)