来院される方
For person visiting the hospital
栄養班
栄養班について
栄養班では、食事を通して患者さんの治療を栄養面からサポートします。安心・安全で心のこもった食事を、患者さん一人ひとりのお身体に合わせて提供するよう心がけています。
また、栄養指導を通して退院後のフォローも行っています。栄養班は病院管理栄養士7名で構成されており、患者さんの栄養管理、栄養指導などを行っています。給食業務については業務委託により委託業者と共に、連携を取りながらよりニーズに合った食事提供を目指しています。
給食業務
当院で提供している食種は以下の通りです。患者さんの病態や体格、摂食機能等に合わせて適切な食事を選択します。
一般治療食
当院では摂食嚥下学会分類2021に基づき、嚥下食段階表を作成しております。
特別治療食
- 糖尿病食
- 脂質異常症食
- 肥満症食
- 心臓病食
- 腎臓病食
- 肝臓病食
- 肝不全食
- 膵臓病食
- 胃潰瘍食
- 消化管術後食
- クローン病食
- 潰瘍性大腸炎食
- 注腸検査食
- 高尿酸血症食
- 高血圧症食
- 貧血食
その他の食事
がん治療患者さんのための食事
おこのみ食
がん治療中の患者さんが食欲低下をきたすことは少なくありません。食欲がない中で、少しでも食べることのできる食事のバリエーションを増やし、食べる楽しみを持っていただきたいという思いで導入した食事です。がん治療中の方を対象にした嗜好調査の結果より、希望の多かった献立を中心に、1週間のサイクルメニューを作成しています。
※おこのみ食のサイクルメニュー例
(お好み焼き、巻き寿司など)
選択食
週3回、常菜食を喫食されている方を対象に選択食を実施しております。アンケートを取って希望された食事を提供しております。
※ある日の選択食 オムライス
イベント食
当院では患者さんに食事を楽しんでいただけるよう、様々なイベント食を行っています。
イベント食
クリスマスや正月、敬老の日など各月の行事に合わせた食事を定期的に提供しています。
【敬老の日の献立】
・栗赤飯・天ぷら・白菜のゆず風味和え
・茶碗蒸し・お祝い饅頭
長崎県メニュー
毎月長崎県のご当地メニューを提供しています
【メニューの一例】
・トルコライス・長崎パリパリサラダ
・中華スープ・みかん
よりよい給食を目指すために
食事検討会
月に1度、栄養班スタッフで構成される検討会を行っており、患者さんやスタッフからの意見を基に得られた給食の課題や改善点について話し合っています。
栄養委員会
当院の医師、看護師、事務職員、栄養班で構成された委員会で、給食や栄養管理について話し合います。他の職種からの意見収集や、今後の栄養業務における方針を相談、周知することで院内での連携を図っています。
嗜好調査
年に1~2回、入院患者さんを対象にした、食事アンケートを行っています。この調査で得られた結果をもとに食事検討会や栄養委員会で話し合い、今後の給食に反映させています。
栄養管理業務
当院では各病棟担当制を採用しており、各スタッフが各担当病棟で集中的に栄養管理を行っています。
すべての患者さんの栄養計画の立案、モニタリング
入院中の経過をたどりながら、その都度プランの変更を行います。
病棟ラウンド
食事時間に合わせて栄養士が病室を訪問します。患者さんの摂取状況の把握や食事に対するご希望、ご意見をいただき、その後の食事に反映させます。
栄養指導について
個別指導
入院患者さんや外来患者さんの自宅での食事への支援の一つとして、栄養指導を行っています。栄養指導ではご自宅での食事状況やこれまでの経過をもとに、個々に合わせた指導をおこなっています。
集団指導(食生活改善教室)
当院では糖尿病、脂質異常症、高血圧など生活習慣病の患者さんを対象に集団指導を行っています。食事について専門スタッフが説明をさせていただきます。
栄養指導件数の推移
今年度の指導件数
過去の栄養指導件数
多職種との連携
適切な医療の提供の為には他職種による連携が大切です。栄養班も各病棟で行われるカンファレンスや各種委員会へ参加し、他職種と連携を取りながら業務にあたっています。
災害対策
備蓄食品の管理
当院は災害対策の一環として、備蓄食品を確保しています。水やご飯、スープなどの他、嚥下困難者用のお粥やペースト食等も取り揃えています。備蓄食品の量は約3日分を賄える量として、患者用2250食、職員用4320食を常備しております
当院の備蓄食品一例
おすすめレシピ
おうちで簡単!おいしいkitchen
年に4回発行される当院の広報誌「こもれび」で、栄養班立案の献立を掲載しています。
季節の食材を使った、簡単でおいしいレシピを紹介していますので、ぜひご自宅でお試しください。
- レシピ13:冬野菜のごろっと豆乳ポトフ(令和3年1月発行)
- レシピ12:いも寄せ(令和2年10月発行)
- レシピ11:オクラとにんじんのカラフル肉巻き(令和2年7月発行)
- レシピ10:アスパラのチーズリゾット(令和2年2月発行)
- レシピ9:秋刀魚ときのこの炊き込みご飯(令和元年11月発行)
- レシピ8:油そば風 薬味たっぷり素麺(令和元年8月発行)
- レシピ7:鶏ムネ肉の鶏ハム(平成31年2月発行)
- レシピ6:グリーンピースのクリームスープ(平成30年5月発行)
- レシピ5:グラノーラ入りチョコバー(平成30年2月発行)
- レシピ4:鶏とれんこんの甘酢炒め(平成29年11月発行)
- レシピ3:しいたけの肉詰め(平成29年8月発行)
- レシピ2:いわしの大葉巻き(平成29年5月発行)
- レシピ1:3色ひな寿司(平成29年2月発行)
高齢者の栄養管理
低栄養ってどんな状態?
高齢になると、さまざまな原因で食欲や食べる力が低下することがあります。環境の変化やストレス、味覚の低下、消化力が落ちる、噛む、飲み込むといった力が衰えることが原因と考えられます。たくさん量を食べられなくなるので体を維持するための栄養素がとれなくなり、たんぱく質やエネルギーが不足する状態を低栄養状態といいます。
低栄養はなぜいけないの?
必要な栄養がとれなくなることで、体力や筋肉量が低下します。それにより、疲れやすくなる→かぜをひきやすくなる、転倒・骨折をしやすくなる→活動量が低下→さらに食が細くなる、というように、悪循環になる可能性があります。
一日に必要な栄養素について
主食は体を動かすエネルギー源になります。ごはんだったら一日3杯です。主菜は筋肉や体をつくる材料になります。たんぱく質を多く含む肉や魚、卵、大豆製品などを一日3皿程度は必要です。副菜は体の調子を整える働きがあって、野菜、海藻、きのこ類です。一日5皿が目安です。食事量が少ない方が特に大事なのは、主菜のたんぱく質です。乳製品にもたんぱく質が多く含まれます。ごはんと野菜の味噌汁だけ、ごはんと漬物だけなど、素食にならないように注意が必要です。
長崎県島原病院 管理栄養士 松尾奈津子
NSTについて
当院では平成17年に栄養サポートチーム(NST)を発足し、平成25年からNST加算を算定できる体制になりました。NSTでは他職種含め、チーム一丸となって患者さんの栄養管理を行っています。