来院される方
For person visiting the hospital
NST
NST(栄養サポートチーム)とは
患者さんの栄養状態が悪化することで、病状の悪化や回復の遅延、免疫力の低下、褥瘡の発生などを引き起こし、治療に悪影響を与えます。そのため、栄養管理は治療を進めるうえで大変重要な役割を担っています。NSTはNutrition Support Teamの略で、医師・管理栄養士・薬剤師・臨床検査技師・看護師・リハビリスタッフなどの専門スタッフが連携し、それぞれが専門的な知識や技術を出し合い、総合的な知見から栄養管理を行うことを目的とした医療チームのことです。
栄養管理には輸液の選択、摂食嚥下リハビリの実施、患者さんの情報など様々な要素が絡んできます。各職種で必要な情報を持ち寄り、総合的に検討を行うことで、より理想的な栄養管理を導くことができます。
NST稼働施設として認定されました
当院は日本栄養療法推進協議会(JCNT)および、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)のNST稼働認定施設です。
当院のNSTメンバーの構成と各職種の役割
職 種 | 構 成 | 役 割 |
---|---|---|
医 師 | 専任 3名 | ・対象患者の病状、身体状況の把握。 ・現行の栄養療法が適しているかの総合的な判断。 ・今後の栄養管理の方針決定、提案。 |
看護師 | 8名(うち専任4名) | ・担当病棟の対象患者の状況把握。 ・身体測定など情報収集。 ・患者担当Nsへの指示、伝達。 ・主治医との調整(NST介入の是非、栄養管理方針の伝達、確認等) ・各職種への情報提供、介入依頼 |
薬剤師 | 2名 | ・静脈・経腸栄養療法における処方支援・設計 ・栄養療法における医薬品の適正使用の推進 |
臨床検査技師 | 2名 | ・NST回診患者の最新検査結果の提供及び回診時の検査結果説明。 ・新規栄養評価検査項目の院内導入。 |
リハビリスタッフ | 2名 | ・リハビリ内容の報告。 ・運動消費量の計算。 ・日常生活活動レベルの評価。 ・患者の栄養状態に合わせたリハビリ。 ・嚥下(飲み込み)の評価を行い食事形態の提案。 ・口腔内のチェック。 |
管理栄養士 | 8名 | ・対象患者の栄養状態、摂取状況の把握、評価。 ・状況に合わせた食事内容の検討。 ・問題点(摂取不良や低栄養など)の原因検索。 ・栄養投与方法の提案。 ・対象患者、家族への食事指導、アドバイス。 ・回診資料の作成。 ・回診の実施に関する種々の調整。 ・回診後に本人、家族へ栄養治療計画について説明。 ・転院先への情報提供 |
NST介入までの流れ
当院では医師からの依頼で介入となる場合や、看護師、薬剤師、リハビリスタッフ、栄養士などの意見をもとに対象となる患者さんの抽出を行い、主治医の指示のもと、NSTへ介入します。
当院NSTの活動状況
NST回診(カンファレンスを含む)
毎週2回、対象患者の栄養状態についてチームでカンファレンス・回診を行っています。カンファレンスでは、各職種が情報・問題点を持ち寄り、今後の栄養管理の方向性を話し合います。
カンファレンスの後に回診を行い、実際に患者さんとお会いして状況を確認していきます。
NST委員会
月1回、NST委員会を開催し、回診時の問題点や今後のNST活動等について話し合います。また、これまで介入した患者さんについての事例検討を行い、回診の振り返りも行っています。
勉強会
病院職員を対象に、院内勉強会を行っています。また、委員会内での勉強会も定期的に実施しており、それぞれの職種からの知識を共有しています。昨今はコロナ禍で開催が難しいですが、地域連携室と合同で、院内職員、地域の医療・介護従事者を対象に勉強会の開催も行っています。
学会認定・資格
NST稼働施設認定
- 日本栄養療法推進協議会(JCNT)、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)より、NST稼働施設の認定を受けています。
NST専門療法士:管理栄養士6名、薬剤師1名、臨床検査技師1名
- 日本静脈経腸栄養学会が認定する資格です。
NST広報誌「にゅーとりしょん・あらかると」
定期的にNSTに関する様々な情報を取り扱った広報誌「にゅーとりしょん・あらかると」を院内スタッフ向けに発行しています。
バックナンバー
- 第30号「その錠剤、つぶしちゃって大丈夫!?」
- 第31号「低栄養時にみられる心電図変化」
- 第32号「口腔ケア重要性の再確認と誤嚥性肺炎予防のポイント」
- 第34号「低栄養の新たな診断基準!~GLIM criteria~」
- 第35号「がん悪液質(cachexia カヘキシア)ってなぁに?」
- 第36号「患者さんは脱水状態でないですか?」
- 第37号「鼻呼吸が咀嚼・嚥下機能の改善につながる」
- 第38号「おこのみ食を知っていますか?」
- 第39号「経腸栄養剤について」
- 第40号「新型コロナウイルス 栄養学的提言要約」
- 第41号「栄養管理で体腔液貯留を抑えましょう!」
- 第42号「栄養管理で体腔液貯留を抑えましょう!」
- 第43号「栄養管理で体腔液貯留を抑えましょう!」
- 第44号「栄養管理で体腔液貯留を抑えましょう!」
- 第45号「放っておけない便秘のハナシ」
- 第46号「日本は超高齢化社会! 心不全パンデミック」
- 第47号「フレイルのみかた サルコペニアのみかた」
- 第48号「がん治療と食事療法」
- 第49号「NSTについて」
- 第50号「当院採用の経腸栄養剤が切り替わりました」
- 第51号「プレアルブミン(トランスサイレチン)の有用性」
- 第52号「オーラルフレイルって知ってる?」
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